“値上げ=信頼”と気づいた面談3回の法則/九思税理士法人 磯﨑 寿様
宮崎県宮崎市|九思税理士法人 磯﨑 寿様
「価格を変えたら、関係が変わった…」
「年末調整、1人1万円」──そう聞いて、驚かれた方もいるかもしれません。
実際、私も飯島さんから「ぼったくり返し」と冗談交じりに言われました(笑)。
ですがこれは、私にとって「やりたくない・時間がかかる・繁忙期に集中する」業務への“適正な対価”だと思っています。今回は、そんな価格見直しや顧問先との関係性の再構築を通じて、得られた学びと変化を共有したいと思います。
年間567万円の値上げに成功
私は「いい商品づくりプロジェクト」に参加していました。
最終的に“商品”そのものは形になりませんでしたが、そのプロセスで値上げとCXO化に成功。
今年1月から18社で年間567万円の値上げを実現しました。
特に意識したのは次の2点です:
- やること・やらないことの線引き(=事前準備)
- 顧問先が求めることと、自分ができることのマッチング
インボイスを機に「教育」の強化
インボイス制度のスタートを前に、私は事務所の業務体制を見直しました。
特に力を入れたのは、お客様・社員それぞれへの「教育」です。
最初は社員からの反発もありましたが、結果として顧問先ができる業務が増え、記帳代行の手間が軽減。
社員も「自分の業務負荷」と「報酬」のバランスを考えるようになり、事務所全体の業務効率が向上しました。
クロージングまでのプロセスを見直し
もうひとつの成果は「面談回数の増加」です。
お客様との対話を重ねることで、本音を引き出し、最適な提案ができるようになりました。たとえばある顧問先では、もともと申告業務のみで60万円だった報酬が、面談を重ねて153万円に増額。
また、別の企業では、税務調査の打ち合わせから中期計画の作成に発展し、年額54万円だった契約が216万円になりました。
他者の取り組みを“自分の手柄”に?
今回の活動では、他のメンバーの実践が大いに参考になりました。
たとえば、小林さんが行っている従業員研修のFacebook投稿を見せながら「うちでもこんな支援ができます」と提案。つまり、他の方の成果をうまく活用し、自分の提供サービスの一部として提案するという形をとりました。
学びと気づき
・サービスを詰め込みすぎず、必要に応じて柔軟に構成すること
・自分が伝えたいことより「相手が求めること」に寄り添う姿勢
・そして何より、対話の量が信頼と報酬につながる
こうした発見はすべて、プロジェクト仲間の実践やアドバイスから得たものでした。
最後に
私が特に効果を感じたのが、値上げ前に「通期計画」を一緒に作成することです。
これにより、経営の未来を共有しながら価格の正当性を伝えることができます。
今後もこのスタイルを継続し、よりよい関係性を築いていきたいと考えています。