迷いの先にあった、経営者としての覚悟/西川税理士事務所 西川 弘晃様

大阪府大阪市 | 西川税理士事務所 西川弘晃様

「辞めても、ぶつかっても、前に進む──経営の決断が未来をつくる」

「強気でいくと決めていたから、辞められても進みました」
そう語るのは、2016年に経営合宿に参加して以来、未来会計や経営火力コンサルタントといった数々の学びの場を経て、経営計画に取り組んできた税理士の方の体験です。

経営計画を始めた矢先、スタッフが全員退職

2018年、「これから経営計画をやっていく」と宣言したタイミングで、なんとスタッフ全員から「辞めます」と通告されました。そのうちの一人は「私もやめました」と事後報告。

一時は「どうしようか」と迷う気持ちもあったそうですが、「経営者たるもの、強気で進まなければ」と自らを奮い立たせ、ひとりでもやり切る覚悟を決めました。

最悪の社風を経て、4年越しに改善

2020年、新たに2人の社員を迎えたものの、社内の空気は最悪。二人が話す姿を見ることすらなかったほどだったそうです。そんな状態が4年も続きました。

しかし、昨年から始めた経営計画に基づいた週1回の打ち合わせを通じて、ついに歩調が合わないメンバーとの決別を決断。現在は社風も改善され、前向きな職場づくりが進んでいます。

売上が下がっても、社員を守る決断

今年は顧問料28万円のクライアントから、従業員への心ない言葉があったことを受け、即時解約を決断

「ちょうど給料を上げるタイミングで、物価高もあって迷った」
それでも、「自分の中では決めていた」と、売上よりも社員の安心を優先し、給与を引き上げたといいます。同時期に他にも3件の解約があり、売上としては減少。
「初めての減少は正直恥ずかしい。でも、自分としては納得している」と振り返ります。

値上げと新規獲得で自信回復へ

値上げや新規契約も着実に進めています。

  • 6月:14万円 → 23万円へ値上げ
  • 同月:13万円 → 20万円に増額
  • 11月:記帳代行+顧問料で10万円の新規契約(競合は6〜7万円)

大手税理士法人との競合案件でも、信頼と関係性を武器に顧問料13万円+決算30万円での契約を勝ち取りました。

“社長との会話”が勝負の分かれ目

ある社長とは前日に飲みに行ったことで距離が縮まり、他社が提示した月額5万・7万という金額に対して「じゃあ13万でやろう」と、最終的にこちらの提示が通ったケースもありました。

こうした事例を通じて、「価格だけではない、関係性の中での価値提供」に確信を持てるようになったといいます。

最後に

失敗も、離脱も、軋轢もありながら、決してブレることなく「前に進む」姿勢を貫いてきた今回の発表者。

「経営は選択の連続。その都度、何を大切にするかが問われる」
そんなメッセージを、体験を通じて私たちに示してくれました。