財産じゃない、“経営”を承継する/宮本和雄税理士事務所 宮本 和雄様
大阪府和泉市 | 宮本和雄税理士事務所 宮本 和雄様
「事業承継という果てなき挑戦」
12年前に飯島さんと出会い、これまで数多くの実践を重ねてきた私にとって、得られた成果は確かに人生を変えたと言えるものでした。
でも、正直に言うと──
最近は何をしても「喜ばれて当たり前」と感じてしまい、**“やる気が出ない自分”**に気づきました。
仕事がルーティンに思えて、モチベーションが上がらない。満足していた…というより、惰性に近かったかもしれません。
そんな時、ふと口にした「事業承継」からすべてが変わり始めた
飯島さんと1on1の対話をしたとき、私はふと「これまでに事業承継に15件関わってきた」と口にしました。
それを聞いた飯島さんから「じゃあ、もっと本格的にやってみたら?」と提案され、腐りかけていた自分の脳がビリッと反応したのを覚えています。
それが、今回このプロジェクトに参加するきっかけでした。
実は「後継者の脳」と、自分の状態が似ていた
後継者の多くは、親の会社を継ぐ前提で育ち、既にある程度“満たされている”状態の人が多い。
努力せずとも一定の評価があり、不満もない。
それって、今の自分と似ているのかもしれない──
だからこそ、彼らと向き合う「後継者教育」は、他人事ではない気がしました。
セカンドオピニオン契約を軸にした事業承継サポート
私が今回テーマとして取り組んだのは、「経営承継」。財産の話ではなく、後継者を“経営者”に育てるプロセスです。
▶ ターゲット(ペルソナ)
- 現経営者が65歳以上
- 財産承継は完了済だが、後継者教育は未着手
- PLやBSを語れる“立派な経営者”であるほど、後継者との認識ギャップが大きい傾向
▶ 営業フロー
- チャネル開拓(65歳以上の経営者と接点のある人へ価値提供)
- セミナー開催(あえて問題提起型で“やばさ”に気づいてもらう)
- 個別相談(課題の深掘りと方向性の提示)
- 事業承継計画書の作成(言語化)
- 後継者との3者面談(毎月継続)
▶ インタビューから“言語化”へ
例えば3時間のインタビューを録音し、AI文字起こしツール「オートメモ」でテキスト化。
そこに社長が語った“理念”や“こだわり”が現れます。
この発言を一切脚色せず、コピペで残す。それが、社長の言葉を後継者に「翻訳」する唯一のツールになります。
実際に見えたギャップと成果
ある後継者が記入した「これからやりたいこと」は、まさかの「自社ビルの建て替え」ただ一つ。
──この会社、大丈夫か?と感じるほどの価値観のズレが明らかになりました。
その“現実”を社長に見せると、「これはやばい」と納得してもらえ、継続契約(セカンドオピニオン)へ自然とつながる流れが生まれました。
提供しているのは、「会話の設計図」
- 現経営者と後継者が直接は言えないこと
- 自分たちでは見えないギャップ
- そして、将来を一緒に考える場
それらを提供することで、誰にもできなかった承継の支援を可能にします。
最後に──「あなたしかいない」と言われる存在へ
この支援は、税理士・弁護士・金融機関などの“専門家”が取りこぼしている領域です。
後継者と社長、そして社員や家族も含めて全体最適な承継を支える存在になる。
それが、これからの“会計人”の新しい価値だと私は信じています。